継続してます。

自分のベンチャー起業にまつわるあれこれを自分用に記録。

札幌のIT人材育成事業が終わっていたので対象者として淡々と総括する

経産省のITベンチャー人材育成事業というものがあり、たぶんこれは北海道はじめ各エリアで受託事業者が行っていると思われる。

札幌にいた時に誘ってもらい、信用補強のために参加した。これが先月で終わったっぽいので、スタートアップ目線で評価したい。

結論:ベンチャーこそ人を見よ。

ということで、これが全て。では以下細かいところを見ていく。

良かった点

  1. 効果があったかは定かではないが、信用補強にはなってたような気はする。銀行口座作る時とかみられてるんじゃないかな。銀行からそういう反応は見られなかったけどね。
  2. 事業絡みのイベントを受託事業者の一つと共同開催することになった。人手と集客においてメリット大きかったな。
  3. メンターから、普段は教えてもらえない内容のアドバイスを受けられた。これは普通にお付き合いしている中では得られなかったことだと思う。この事業が媒体になったことは言うまでもない。

悪かった点:

  1. 事務局の担当者がいい加減すぎた。東京移転に関し3度問い合わせた重要事項を3度放置された。国の受託事業でこれするか?大事な時期に無駄な時間の浪費を強いられたのは最悪だったし、時間のロスだけじゃなく、それによる苛立ちは非常に不毛で何一つメリットなし。
  2. 2社からなるコンソーシアムが受注していたため、その両方に所属している人材の言う事が立場によって変わっていた。当然これは不信感だけをこちらに与える結果になっていた。札幌の受託事業者の体制は、構造的な欠陥を持っていた。支援実施主体は一本化されるべきだ。起業経験もなく、起業支援に不慣れな人材に、曖昧な立場で仕事をさせれば、無駄にスタートアップを混乱させるだけなのは明白。
  3. 提出して欲しいと言われた書類の仕様が明らかに間違っていて、なぜか俺が直してた。売り上げ予測に関して、「2年前 1年前 1年後 2年後」みたいになってて、「今年」がなくて草www起業支援に携わるなら書類の作成くらいしっかりしてほしいと思った。書くの結構時間かかったからな。しかもその結果が↓の4だという・・・。
  4. メンター紹介をお願いしたら「いないので諦めてください」と断られた。もうメンター紹介事業ですらなかった模様。
  5. その数ヶ月後、メンター紹介の申し出があったので期待感0で「まぁ聞くだけ聞いてみるか」というスタンスで頼んでみたが・・・まさかのまた放置。もうね、クソすぎてビックリしました。仕事においてここまでダメな人とは思ってなかった。(ちなみに1〜5まで全部同じ人)
  6. プログラム最後のピッチイベントで、受託実施団体の1つのベンチャー支援NPOの代表I(当時)が、イベント開始前に会場のカフェで「君の事業ってどんなのだったっけ?アダルトだっけ?」とか言ってきた。この人は前述の「事業がらみのイベント」に登壇していて、しかもそのイベントは観光分野に特化したイベントだったので、当然俺の事業が観光分野なことは知っているはずだ。ベンチャー支援NPOと自称する団体の代表が、これからピッチを行おうとするベンチャーに対して「お前らアダルトやってんだろ?」みたいな事を言うなど、もはやベンチャー支援NPOとしてはアウトだろ。程度が低すぎる。これは本当に腹がたった。本当に俺の事業がなんなのか記憶になくて聞いたんなら、自分が登壇したイベントがなんだったかも忘れるほどに記憶力に問題あるということだからビジネスの付き合いはできないし、意地悪かなんかのつもりで言ったんなら、人間性に問題ありすぎて人として付き合いたくない。ベンチャー支援NPO代表としての資質が疑われる事案である。

良い点は、このプログラムだからこそ経験できたことがあるってことかな。民間のではイベントごとまでフォローしてくれないんじゃないかな。デモデイは投資家向けだし。純粋にBの顧客探しのイベントを共催するのはないよねたぶん。

ダメだった点は、実に残念だね。もうね、ダメな点が完全に属人的問題になっているんだよな。まぁ、属人的問題であるがゆえに改善可能な問題であることは間違いない。人を換えたほうがいい。

ただ、ベンチャー目線で見ていくと、今回のプログラムでは、如何に実施組織の人員の質によってインキュベーション事業の良し悪しが決まるか、ということが学べた。ダメな人がいるインキュベーション事業には関わっちゃダメだ。

ベンチャーが関わりそうなインキュベーション事業は民間が多いが、事前に評判確認できるところ以外は一切関わらないほうがいいと思う。民間の場合は株を取られるところ多いから、株取られたのに人材がクソだったらほんと目も当てられない結果になる。

思うに、日本のインキュベーション系事業は、内部の人材に「起業経験者」が少ないのが最大の問題点だと思う。起業未経験者には起業のいろはなんて分かりっこないし、起業家が何を求めているか、何を考えどんな行動を取ろうとするか、サラリーマンしかしたことのない人間に分かるわけもない。

今回の札幌の事務局の情けない事態も、この人材が起業未経験のサラリーマンゆえ起こった対応だったと感じている。起業家タイプの発想とサラリーマンタイプの発想は全く噛み合わない。逃げることが許されないのが起業家であるが、サラリーマンは責任から逃げることができてしまう。3度の問い合わせをスルーしたのも、経産省に聞き難いことを聞くのが嫌だったんだろう。自分の雇い主からの評価を下げないために、自分の職責を放棄した、といったところだろうと予想する。これをベンチャー育成事業でやっちゃダメだよな。

アメリカの起業エコシステムを真似たのが今回の政府系インキュベーション事業なわけだが、個人的にはこれはいい試みだと思っている。ただ、政府の意気込みに受託事業者側の人材力がついてこれていない印象。国が試行錯誤するのは大事。何もせずに米中印が覇権を争う時代に埋もれていくのは避けるべきだ。そのためには、日本のサラリーマン中心の価値観を破壊する必要がある。東芝・シャープのように、大企業が衰退していくんだから、もうサラリーマンの価値観が正しいとされる時代を終わらせなきゃいけない。時間はかかるだろうけどな。

今回の経産省のインキュベーション事業は、株や金銭の授受が一切ないので、それがせめてもの救い。インキュベーション系のデメリットを、大きな被害に遭う前に学べてよかった。

 

結論:ベンチャーこそ人を見よ。

インキュベーション系事業は実施組織の人員の質が全てを決定すると思った。

政府系インキュベーション事業は株の譲渡がない分条件はいいと思う。東京の政府系インキュベーションはどうなんだろうね。もうちょっとまともなのかな。

ただ、俺の場合は、「これは社会人のやることか?」と思うようないい加減な対応があったり、「ベンチャー支援NPO代表が言う事か?」と思うようなクソ発言があったりと、実施団体としての資質が疑われる事案があったので、これについては「恥を知れ」と思ってる。全てを否定する気は全くないが、これらは実に情けない事態だと思った。

ベンチャーは、支援を頼むとき、その組織や個人の「人」を見て判断すべきだと思う。

本当に自分の将来や事業の未来を考えてくれる起業経験ある人に教えを請うのが最良の方法だと確信している。

事実、東京に来てから一番俺の事業を支援してくれているのは、昔からお世話になっていた先輩起業家だ。

起業界隈では、「投資家は創業者の人を見る」とよく言われているが、これは逆もまた然りだ。

創業者こそ人を見るべきなのだ。

たぶん、これは自分の直感に従った方がいい。